どんな仕事でも人のために働くという喜びを感じることができれば、仕事をする醍醐味は違ってくるでしょう。もしかしたら介護の仕事は、誰かのために役立つことを感じられる仕事という点では究極かもしれません。
介護の仕事をしていると、ありがとうと言われたり頭を深々と下げられたりすることがあります。もちろん、必ず言われるわけではありませんし見返りを求めて働く必要もありません。しかし、本当に困っている人に役立つことができた時、それがこの仕事の醍醐味であり、次の支えに繋がるのだと思います。
ある訪問介護福祉士の体験談です。
「認知症の91歳の女性宅に訪問介護で入らせて頂いています。利用者の方に、食事を作り入浴していただくといった仕事内容です。認知症のために、上手く会話ができません。特に、初対面のヘルパーが来たときには、お風呂に入るのを拒否して泣かれてしまいます。食事を作っても食べません。数回訪問に入ったある日、女性宅の庭にタンポポが咲いていたので、ヤクルトの容器を花瓶にして台所のテーブルに飾りました。その利用者は、笑顔できれいねと言い、花をじっと見つめて食事を残さず食べたのです。これがきっかけで、私が訪問しても嫌がらずに介護を受け入れていただけるようになりました。私の名前も、ましてやヘルパーさんを呼ぶこともできません。ですが、心の絆が少し築けた気がします。そんな時に、この仕事のやりがいを感じます。」
介護職は介護の仕事自体にやりがいを感じることが何よりも大切です。介護の仕事が慣れていないうちは、思うように介護や介助ができずに自信をなくしたり、仕事が向いていないのではないかと感じたりしてしまいがちです。しかし、直接人のお世話をするということは、同じ人間同士でわかりやすいこともあり、反応もストレートに自分自身に戻ってきます。自分が尽くした分、相手もお礼の言葉をかけてくれたり、感謝してくれたりします。それらにやりがいを感じることができれば、介護の仕事がより好きになるでしょう。
また、介護は自立のサポートを行うために介護者の症状が良くなるケースも多々あります。例えば、トイレの介助が不要になったり、食事が自分でとれるようになったりすることも珍しくはありません。さらに介護が必要になってくると、その不便さが自信のなさにつながり、積極性が欠けてしまったり、引きこもりがちになったりする人も多くいます。しかし介護福祉士による積極的なコミュニケーションにより、会話や笑顔が増えて以前よりも明るくなったり、他の人と過ごすのが楽しくなったりといった改善もみられます。
これらが目に見えてわかるようになれば、自分のしてきた仕事に自信を持つこともでき充実感を得ることもできます。
2015/11/5
このサイトの目的
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